高効率物質変換やエネルギー獲得などの生命活動を支える金属酵素、化学工業や環境浄化に不可欠な触媒、高温超伝導物質として注目を浴びている多元系銅酸化物や金属カルコゲニド化合物、そして非線形光学材料として実用化されている金属酸化物。これらは中心に一種、もしくは複数種の金属をもつ高度に組織化された無機物質群です。
この研究分野ではこのような化合物中の金属元素が果たす役割を解明しつつ、新しい化学機能を創造するための基礎研究を行ないます。すべての元素の特性を理解し、次世代を担う新規触媒や人工酵素および機能性無機材料の合成手法を確立します。
さらに、その構造的または電子的な動的挙動を研究し、機能発現の機構を明らかにするとともに、無機化学の立場からエネルギー問題や地球環境などの問題解決に取り組みます。